クローン病の
情報ひろば
監修:杏林大学医学部 消化器内科学 教授 久松理一 先生
どんな症状が現れるの?
重症度や病変部位により、症状は様々です。主な症状は、下痢、血便、腹痛、発熱、体重減少、貧血です。
また、痔瘻(じろう:肛門周辺に穴ができ膿が出る)や膿瘍(のうよう:肛門周辺に膿が溜まる)など、肛門周辺のトラブルも多くみられます。
どんな経過をたどるの?
クローン病患者さんの多くは、活動期(炎症が起きて症状が強くあらわれる状態)と寛解期(症状が落ち着いて、腸管病変の進行がない状態)を繰り返します。
活動期と寛解期を繰り返すと、手術が必要となる腸管病変ができるリスクが増してくると言われています。 適切な治療を続けて、できるだけ長く寛解期を維持することが重要となります。
どんな合併症があらわれるの?
腸管合併症と腸管外合併症があります。
腸管合併症
狭窄(きょうさく:腸管が狭くなる )や 瘻孔(ろうこう:腸管と腸管または皮膚や他の臓器に孔が生じてつながる)などがあります。
腸管外合併症
癌について
クローン病の患者さんは、一般の方と比べて大腸癌・小腸癌の発症リスクが高いと言われています。大腸癌発生率はクローン病にかかっている年月が長くなるにつれて増えるとされています。
このため、クローン病の患者さんには癌の早期発見を目的とした定期的な検査が行われるのが一般的ですので、ぜひこの検査を受けて下さい。