クローン病の情報ひろば
監修:杏林大学医学部 消化器内科学 教授 久松理一 先生

監修:杏林大学医学部 消化器内科学 教授 久松理一 先生

どんな検査をするの?

問診や一般的な血液検査に加え、内視鏡検査、消化管X線造影検査などを行います。

血液検査

全身の炎症の程度と栄養状態を知るために行います。また、治療方法の選択や、治療効果の判定にも用いられます。

内視鏡検査

大腸や小腸の粘膜病変を直接確認するために行います。また、治療法の選択や、治療効果の判定にも用いられます。

大腸内視鏡検査

大腸および回腸末端部の病変を確認するための検査です。肛門より内視鏡を挿入して観察します。

小腸内視鏡検査

バルーン内視鏡やカプセル内視鏡を使って小腸の病変を確認するための検査です。
バルーン内視鏡は肛門または口より挿入し、カプセル内視鏡は口から飲み込み、小腸内を観察します。

消化管X線造影検査

病変範囲や分布、炎症の状態を確認するために行います。また、治療方法の選択や、治療効果の判定にも用いられます。

    注腸X線造影検査

    大腸の病変部位、炎症の状態、狭窄、瘻孔の有無などを確認するための検査です。バリウムと空気を肛門より注入してX線撮影を行います。

    小腸X線造影検査

    小腸の病変部位、狭窄、瘻孔の有無などを確認するための検査です。口または鼻孔より十二指腸までチューブを挿入し、バリウムと空気を注入してX線撮影を行います。

    そのほか必要に応じて、生検病理検査、CT•MRI検査、便検査が行われます。

検査で何が分かるの?

これらの検査を行うことにより、クローン病の診断ができたり、病変の範囲や重症度が分かります。患者さんの病態を把握することが、適切な治療に繋がります。

病変の範囲による病型分類

病変の範囲により、「小腸型」「小腸大腸型」「大腸型」の3つに分類されます。

一目でわかるIBD 炎症性腸疾患を診察されている先生方へ
(厚生労働省「難治性炎症性腸管障害に関する調査研究」鈴木班)

重症度による分類

※1 CDAI : Crohn's disease activity index (クローン病活動度指数)
※2 CRP:C反応性タンパク(炎症の程度を示す指標)

潰瘍性大腸炎•クローン病 診断基準•治療指針
(厚生労働省「難治性炎症性腸管障害に関する調査研究」鈴木班)