小児の潰瘍性大腸炎/クローン病患者さんは治療で免疫調節薬などを投与することが多いため免疫力が落ちており、ワクチン接種で感染症から身を守ることはとても重要です。しかし生ワクチンは、病原性(毒性)はないものの弱毒化した病原体が含まれており、免疫調節薬などの投与中に生ワクチンを接種するとその病原体が患者さんに影響を及ぼす可能性があるため、本邦では禁忌となっています。
また、乳児期に発症した潰瘍性大腸炎/クローン病患者さんは特に注意が必要です。潰瘍性大腸炎/クローン病とよく似た症状を示す原発性免疫不全症である可能性があるため、ステロイド剤や免疫調節薬を使用していなくても、生ワクチン接種を受ける前には必ず主治医に相談し、接種の可否や遺伝子解析の必要性などについて相談するとよいでしょう。